クローゼットの整理や衣替えの時期になると、洋服の収納方法に悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
特に、洗濯を終えたばかりのTシャツやパーカーなど、「たたむのが面倒」「ハンガーに掛けた方が早い」とつい何でも吊るして収納してしまいがちです。
しかし、洋服の素材や形によっては、ハンガーに掛けることで型崩れや伸びの原因になってしまうこともあります。
一方で、たたむよりも掛けて保管した方がシワになりにくく、きれいに保てる服もあります。
この記事では、たたむべき服とハンガーに掛けても問題ない服の違いについて、素材やデザインの特徴を踏まえてわかりやすく解説します。
お気に入りの服を長くきれいに保つためにも、正しい収納方法を知っておきましょう。
Tシャツやニットなど、日常的によく使うアイテムの扱い方も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
ハンガーにかけた方がいい服と畳んだ方がいい服の種類
お気に入りの服を長持ちさせるには、正しい保管方法を知ることが大切です。
つい何でもハンガーに掛けてしまったり、逆に全部たたんで収納していませんか?
実は、素材やデザインによって「ハンガーに掛けた方がいい服」と「畳んで保管すべき服」は大きく異なります。
ここでは、服の種類ごとにどの収納方法が適しているのかを詳しく解説します。
しわや型崩れを防ぎ、季節の衣替えもスムーズに進めるための参考にしてみてください。
ハンガーにかけた方がいい服の種類
ハンガーにかけて保管すべき服は、シワになりやすい素材や、型崩れしにくいしっかりとした形状の衣類です。
【ハンガーにかけた方がいい衣類】
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また、パンツやスカートも、クリップ式ハンガーで吊るすことでたたみジワや折れ跡を防げます。
特にプリーツ入りのスカートやワンピースなど、立体感があるデザインのものは畳むと型が崩れやすいため注意が必要です。
また、ネクタイやリボンが付いた服もハンガーで吊るしておくと型崩れ防止につながります。
色移りのリスクが低い色物やプリント物は、吊るしておくことで通気性も保てて安心です。
畳んだ方がいい服の種類
一方で、畳んで収納した方がよい服も多くあります。
【畳んだ方がいい衣類】
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これらは、ハンガーに掛けると自重で生地が伸びてしまい、型崩れの原因になります。
TシャツやロングTシャツも、日常的に頻繁に着るものは畳んでしまって問題ありません。
ただし、プリントTシャツは色移りの可能性があるため、他の衣類と重ねて収納する際には注意が必要です。
ポリエステルやナイロン、アクリルなどの化学繊維は比較的シワになりにくいため畳み収納に向いていますが、湿気のこもりやすい場所では防湿対策を忘れずに行いましょう。
畳むことで収納スペースも節約でき、型崩れを防ぎながら長く美しく保管できます。
衣類をハンガーにかけるメリット
衣類をハンガーにかけて収納することで得られるメリットは多く、特に忙しい日常の中で時短や服のコンディション維持に役立ちます。
たたむ手間を省けるだけでなく、衣類の型崩れやシワ防止にもつながるため、おしゃれ着や毎日着る洋服の管理に最適です。
ここでは、具体的なハンガー収納のメリットを2つの観点からご紹介します。
たたみシワができない
ハンガー収納の最大の利点のひとつが、たたみジワを防げる点です。
Tシャツやブラウスなどをたたんで収納すると、どうしても折り目部分にシワが付きがちで、着るたびにアイロンをかける手間が発生します。
特に綿やリネンなどの天然素材はシワになりやすいため、ハンガーに掛けることできれいな状態をキープできます。
お出かけ前の慌ただしい時間にも、アイロンがけの手間が省けるのは嬉しいポイントです。
普段使いの服はもちろん、おしゃれ着や仕事用の服など、見た目の清潔感が求められる洋服はハンガー収納にしておくと安心です。
クローゼットで見つけやすい
ハンガー収納は、クローゼットの中で洋服を一目で見渡せるため、コーディネートがスムーズに決まるという利点もあります。
たたんで引き出しや棚にしまう場合と違い、どの服がどこにあるかがすぐに分かり、無駄に探す時間が減ります。
特に忙しい朝や時間がない時には、この「見つけやすさ」が大きな助けになります。
また、ハンガーで掛けることで服同士の摩擦も減り、型崩れや色移りの心配も軽減されます。
服の管理がしやすくなり、持っているアイテムの把握もしやすくなるため、無駄な買い物の防止にもつながります。
衣類をハンガーにかけるデメリット
ハンガーに掛けて収納することは便利ですが、すべての服にとって最適な方法とは限りません。
収納の際には素材や形状、頻繁に着るかどうかなども考慮する必要があります。
ハンガー収納には、型崩れや色移り、ほこりの付着などのリスクも伴います。
ここでは、ハンガー収納の注意点を3つの観点から解説します。
肩にハンガーの跡がつく
ハンガーに掛けておくことで、服の肩部分にくっきりとした跡が付いてしまう恐れがあります。
特にハンガーのサイズが合っていなかったり、細すぎたりすると、洋服の重みが一点に集中して肩部分が型崩れする原因になります。
ビッグシルエットのトップスや厚手の生地の服は、重さも加わって伸びやすく、着たときに不格好に見えてしまいます。
肩の跡を防ぐには、幅の広いハンガーや滑り止め付きの厚みのあるハンガーを使うなど、服に合わせたハンガー選びが重要です。
プリントシャツの色が他の衣類に移る
プリントTシャツやカラーシャツをハンガーに掛けたまま保管する場合、隣り合った衣類と接触していると、色移りが起こる恐れがあります。
とくに高温多湿な季節やクローゼットの中が詰まり気味な場合は要注意です。
プリント部分が他の服とこすれて色が付いてしまったり、汗や湿気によって色素が移動してしまう可能性があります。
プリントTシャツをハンガーで収納する際は、間に不織布などを挟むなどの工夫をしたり、たたんで保管するほうが安心です。
ほこりが付着する
ハンガーに掛けたままの服は、むき出しの状態でクローゼットにあるため、時間が経つほどにほこりや糸くずが付きやすくなります。
とくに黒やネイビーなど濃い色の服はほこりが目立ちやすく、清潔感が損なわれてしまいます。
さらに、長期間着ない服をハンガーに掛けておくと、クローゼット内でほこりが蓄積して、着用前にわざわざコロコロやブラシで取り除く必要が出てきます。
頻繁に着ない服やオフシーズンの衣類は、カバーをかけたり、たたんで収納する方が手入れの手間が少なく済みます。
衣類をたたむメリット
衣類をたたんで収納する方法には、多くの利点があります。
特に伸びやすい素材や型崩れしやすいデリケートな服にはたたむ収納が適しています。
また、クローゼットのスペースを効率よく使える点でも優れています。
ここでは、衣類をたたんで保管する際の3つの主なメリットについて詳しく解説します。
首元が伸びない
Tシャツやニット類をハンガーに掛けて収納すると、重みで首元が引っ張られて伸びてしまうことがあります。
首元が広がると、だらしない印象になってしまい、見た目も悪くなりがちです。
特に洗濯後の濡れた状態でハンガーに掛けると、その影響は顕著です。
たたんで収納することで、重力の影響を受けずに首元の形状をしっかり保つことができ、清潔感のある着こなしを維持しやすくなります。
型崩れが起きにくい
セーターやスウェットなどの重さのある衣類は、ハンガーに掛けると肩が伸びたり、生地がたわんだりして型崩れしやすくなります。
たたんで保管すれば、服全体のバランスが均等に保たれ、型崩れの心配がほとんどありません。
特にウールやカシミヤなどの柔らかい天然素材は、平らな状態で重ねて保管することで風合いを損なわず、長持ちさせることができます。
収納スペースを圧迫しない
たたんで収納する最大の利点は、コンパクトにまとめられることです。
Tシャツや下着類、セーターなどを引き出しや収納ボックスに整然とたたんで入れれば、限られたスペースでも多くの衣類を収納できます。
立てて並べる収納法を活用すれば、上から見て一目で把握でき、選びやすさも向上します。
収納の自由度が高く、空間を有効活用したい場合に最適な方法です。
衣類をたたむデメリット
衣類をたたんで収納する方法は、省スペースで見た目もすっきりと整えられる一方で、いくつかの注意点やデメリットもあります。
特に素材や収納方法によっては、シワや型崩れが生じやすくなることもあり、見た目や着心地に影響を与える場合があります。
例えば、シャツやブラウス、リネンやシルクなどシワになりやすい素材の衣類は、たたんだ状態で収納していると折り目がそのまま定着してしまい、着用時にシワが目立つ原因になります。
特に引き出しや収納ボックスに詰め込みすぎると、圧力によって深いシワが残りやすく、アイロンをかける手間が増えます。
これを防ぐためには、衣類を重ねすぎないようにしたり、間にA4サイズの厚紙などを挟むなどの工夫が必要です。
また、しわができやすい服はなるべくハンガーにかけるなど、素材ごとに適した収納方法を選ぶことも重要です。
たたむことで得られるメリットと天秤にかけながら、衣類の種類に応じた管理を心がけましょう。
ハンガーにかけて衣類を収納するときに気を付けること
衣替えのタイミングで衣類をハンガーにかけて収納する方も多いと思いますが、正しい方法で収納しないと、せっかくの洋服が型崩れしたりカビが生えたりしてしまいます。
大切な衣類をきれいな状態で保管するためには、いくつかのポイントを押さえることが大切です。
ここでは、ハンガー収納をする際に気を付けたいことや、衣類の分け方、湿気対策、ハンガー選びのコツなどを詳しく解説していきます。
衣類の種類・色・シーズンで分ける
クローゼットの中がごちゃごちゃにならないようにするためには、衣類を種類・色・シーズンごとに分類して収納するのが効果的です。
とくに衣替えの際には、シーズンごとにエリア分けしておくことで、必要な洋服だけをすぐに取り出せ、整理整頓の手間も大幅に減ります。
たとえば「右側に今の季節に着る服」「左側にオフシーズンの服」といったシンプルな区分けをするだけでも、衣替えの作業がスムーズになります。
また、種類や色ごとに並べておけば、コーディネートの際にも服を選びやすくなり、日々の時短にもつながります。
急な天候の変化にも対応しやすく、家族で使っている場合も誰が見てもわかりやすいクローゼットになります。
木製ハンガーを使用する
ハンガーでの吊り収納を行う際には、使用するハンガーの素材にも気を配りましょう。
例えば、一般的に多く流通している細いプラスチックハンガーや、クリーニングの返却時に使われる針金ハンガーは、洋服の型崩れや錆びの原因となる可能性があります。
特に針金製は湿気による錆が発生しやすく、衣類を汚してしまう恐れがあります。
そこでおすすめなのが、太めでしっかりとした木製ハンガーです。
木製は通気性が良く、クローゼット内の湿気対策にも役立ちます。
また、肩のラインを崩さずきれいに保管できるため、大切な衣類を長持ちさせるのに最適です。
ボトムス用の専用ハンガーも併用すれば、シワを防いで清潔な状態を保てます。
湿気対策を講じる
ハンガー収納で忘れてはならないのが湿気対策です。
どれほど丁寧に衣類を吊るしても、湿気がこもってしまえばカビやダニ、虫食い、嫌な臭いといったトラブルが発生します。
クローゼット内の通気性を確保するためには、収納する衣類の量を7割以下に抑え、空間に余裕を持たせることが大切です。
また、除湿剤や防虫剤を併用することで、より安心して長期保管が可能になります。
収納スペースに限りがある場合には、シーズンオフの衣類を「クリーニング付き保管サービス」などに預けるのも賢い方法です。
保管中もプロの管理下にあるため、次のシーズンに戻ってきたときにはそのまま着られる状態で非常に便利です。
衣替えの時期こそ、湿気対策を徹底して、大切な衣類を守りましょう。
たたむべき衣類以外はハンガーにかけて収納して手間を減らそう
衣類の収納において、「たたむべきか」「ハンガーにかけるべきか」で迷うことは多いですが、基本的には“たたむべき衣類”を把握しておけば、それ以外はハンガーにかけて収納することで効率的に片付きます。
とくにしわになりやすいブラウスやシャツ、型崩れを防ぎたいジャケットやワンピースなどは、たたまずハンガー収納が適しています。
掛けることでたたみジワの心配が減り、クローゼット内でパッと一目で見つけやすくなるというメリットもあります。
ただし、どの衣類を掛けるか迷ったときは、その洋服が「織物」か「編物」かを確認するのがおすすめです。
織物は形が崩れにくいためハンガー向き、編物は重みで伸びやすいためたたんで収納した方が無難です。
収納方法を正しく見極めることで、お気に入りの服を長く美しく保ちつつ、衣替えや日々の片づけの手間もぐっと軽減できます。