夏の強い日差しをおしゃれにカットしてくれる帽子は、ファッションにも実用性にも優れたアイテムです。
しかし、気づかないうちに汗や皮脂、ほこりなどで意外と汚れています。
見た目はキレイでも、内側には汚れが蓄積していることも少なくありません。
「そろそろ洗った方がいいのかな?」「クリーニングに出すべき?」と悩んでいる方も多いのではないでしょう。
本記事では、帽子をクリーニングに出すべき理由や料金相場、適切な頻度などを詳しく解説します。
また、自宅でできる帽子の洗濯方法や、型崩れを防ぐケアのコツもご紹介します。
汗で汚れた帽子を自宅でクリーニングするのが危険な理由
帽子は、見た目以上に繊細なファッションアイテムです。
毎日使うからこそ汗や皮脂で汚れやすく、定期的なお手入れが欠かせませんが、だからといって安易に自宅で洗うのは危険です。
帽子の種類によっては手洗いできるものもありますが、洗濯表示を確認せずに自己判断で洗ってしまうと、取り返しのつかないダメージにつながることもあります。
以下では、帽子を自宅で洗うことで起こり得る3つのリスクについて解説します。
型崩れを起こす恐れがある
帽子は、頭の形にフィットするように設計された立体的な構造を持っています。
そのため、むやみに水に浸けて洗ってしまうと、繊維がふやけて形が崩れてしまう恐れがあります。
特にキャップやハットなど、形状にこだわった帽子は一度型崩れを起こすと元に戻すのが非常に難しいのが実情です。
洗濯機で回すのは論外としても、手洗いであっても水分によって芯材が歪んでしまうことがあり、見た目が台無しになってしまいます。
お気に入りの帽子を長く愛用したいなら、自宅での水洗いは極力避けたほうが良いでしょう。
クリーニング店なら、型崩れを防ぐ専門の技術で対応してくれます。
汚れが落ちない
帽子には、汗だけでなく皮脂、整髪料、ファンデーションなど、さまざまな油性の汚れが付着します。
しかも帽子は毎日洗うものではないため、汚れが時間とともに繊維に染み込み、頑固な状態になっている可能性があります。
自宅で洗剤を使って手洗いしても、表面的な汚れしか落とせず、黄ばみや臭いが残ってしまうケースが少なくありません。
また、布地の内側には見えにくい汚れが溜まっていることもあり、見た目だけでは清潔とは言えないのです。
専門のクリーニング店では、帽子の素材や汚れの種類に合わせて、適切な薬剤と洗浄方法でしっかりと汚れを落とし、清潔さと風合いの両方を保ってくれます。
生地が傷む
帽子は見た目以上に繊細な素材で作られていることが多く、水や摩擦に弱いものも珍しくありません。
洗濯表示を見ると「水洗い不可」となっているケースが多いのも、こうした素材の性質が理由です。
画像
引用:消費者庁_衣類の取扱表示より
自宅で洗う際、洗剤の選び方や洗い方を間違えると、色落ちや縮み、生地の毛羽立ちなどが発生してしまい、せっかくのおしゃれな帽子が台無しになる恐れがあります。
特に麻やウール、フェルトなどの帽子は、水に濡れるだけでも質感が変わってしまうため注意が必要です。
プロのクリーニングであれば、帽子の素材や構造に応じて丁寧に取り扱ってくれるため、生地を傷めることなく清潔に保てます。
汗で汚れた帽子を自宅で洗濯する方法
汗や皮脂で汚れてしまった帽子を清潔に保ちたいとき、自宅で洗濯できるかどうかはまず確認したいポイントです。
基本的には、帽子の洗濯表示に「手洗い可能」と明記されているものに限り、自宅での洗濯がおすすめです。
とはいえ、帽子は立体的な形状で作られているため、通常の衣類よりも型崩れしやすく、自宅でのお手入れには細心の注意が必要です。
特に「水洗い不可」や「ドライクリーニングのみ」といった表示がある場合、自宅で洗うことは避けましょう。
万が一、水洗いが可能であっても、正しい手順と適切な道具を使って丁寧に洗うことが、帽子を傷めずにきれいにするための大切なポイントです。
ここからは、自宅で帽子を洗う際に必要なアイテムと、実際の洗濯手順について詳しく紹介していきます。
汗で汚れた帽子を自宅で洗濯するときに使うアイテム
帽子を自宅で洗うには、専用の道具を用意しておくと安心です。
【帽子を自宅で洗濯するときに使うアイテム】
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必要なのは、帽子がしっかり入る大きさの洗面器です。
水を張って洗濯液を作るために欠かせません。
次に、衣類用の中性洗剤、特におしゃれ着用洗剤がおすすめです。
刺激の少ない成分で帽子の生地を傷めにくく、風合いを保ちながら洗うことができます。
部分汚れ用には固形石鹸、こすり洗い用にスポンジや柔らかめの歯ブラシもあると便利です。
さらに、脱水に使用する大きめのバスタオル、そして帽子の型崩れを防ぐためのザルも用意しましょう。
洗濯後にザルの上で乾かすことで、帽子の自然な形を保ったまましっかりと乾かせます。
これらのアイテムを揃えることで、自宅での帽子洗いの失敗リスクを大きく減らせます。
汗で汚れた帽子の洗濯手順
まず、帽子の洗濯を始める前に確認したいのが、洗濯表示の内容です。
引用:消費者庁_衣類の取扱表示より
「手洗い可」「水洗い可」のマークがある帽子に限定して作業を進めましょう。
洗濯の最初のステップは、部分洗いです。
特に裏側の額に接する部分は汗や皮脂で汚れやすいため、固形石鹸とぬるま湯を使ってやさしくこすり洗いをします。
次に洗面器にぬるま湯(30~40度)を張り、おしゃれ着用の中性洗剤を溶かして洗濯液を作ります。
帽子を浸けたら、型崩れを避けるように両手で押し洗いを丁寧に行います。
その後、ぬるま湯を何度か替えながら、洗剤が完全に落ちるまで押しすすぎを繰り返します。
すすぎが終わったら、帽子をバスタオルで包み、水分を優しく吸い取ります。
最後にザルを使って帽子をかぶせるように型を整え、風通しの良い日陰で完全に乾燥させて完了です。
直射日光に当てると色褪せや縮みの原因になるため、干す場所にも気を配りましょう。
【洗濯テクニック】帽子の汗シミを取り除く方法
帽子は頭部に直接触れるため、汗や皮脂がつきやすく、特に額部分には汗ジミができやすいものです。
放置してしまうと黄ばみや臭いの原因にもなり、見た目にも衛生的にも悪影響を及ぼします。
しかし、洗濯機で手軽に洗えるものではないため、汗ジミ対策にはちょっとした工夫と丁寧なケアが求められます。
今回は、自宅でできる3つの代表的な洗濯テクニックを紹介します。
- 固形石鹸を用いた洗濯方法
- 中性洗剤を用いた洗濯方法
- 重曹を用いた洗濯方法
汗ジミの状態や帽子の素材に応じて使い分けることで、大切な帽子を清潔に保ち、長く愛用できます。
固形石鹸を用いた洗濯方法
ついたばかりの比較的新しい汗ジミであれば、固形石鹸を使って落とす方法があります。
ただし、いきなり帽子に石鹸をこすりつけるのではなく、まずは水またはぬるま湯に帽子を軽く浸けて、汚れを浮かせる工程が重要です。
その後、石鹸をしっかり泡立て、優しく撫でるように洗っていきます。
特に額まわりなど、皮脂がつきやすい部分は丁寧に洗いましょう。
それでも落ちにくい場合は、歯ブラシやスポンジを使って、一定方向に軽くこするようにすることで、繊維を傷めずに汚れを落とせます。
この方法は、素材がデリケートな帽子にも比較的使いやすく、初心者でも挑戦しやすい洗い方と言えるでしょう。
洗った後はしっかりとすすぎを行い、乾燥時はザルなどを使って形を整えるのがポイントです。
中性洗剤を用いた洗濯方法
汗ジミがなかなか落ちない場合には、中性洗剤を用いた方法が効果的です。
おしゃれ着用の中性洗剤を使用することで、帽子の生地へのダメージを抑えつつ、汚れをしっかりと分解できます。
まずは洗面器にぬるま湯を張り、適量の中性洗剤を溶かして洗濯液を作ります。
帽子を全体的に浸け、軽く押し洗いをした後、汗ジミが特に気になる箇所には直接中性洗剤をつけて、手や歯ブラシで優しくこすり洗いをします。
しつこい汚れにも効果を発揮しますが、力を入れすぎると生地を傷める恐れがあるため注意が必要です。
その後、丁寧にすすいで洗剤を残さないようにし、形を整えて陰干しすることで、美しさと清潔さを保ったまま仕上げられます。
重曹を用いた洗濯方法
白い帽子にできた黄ばみや、頑固に残る汗ジミには重曹を使った洗浄が非常に効果的です。
重曹は弱アルカリ性で皮脂や汗の酸性汚れを中和する働きがあり、ナチュラルクリーニングの定番アイテムとしても知られています。
- 重曹を水に溶かし、スプレーボトルや霧吹き容器に入れる
- 汗ジミが目立つ部分に吹きかけ、数分おいてから、歯ブラシや柔らかいブラシで軽くこすって汚れを浮かせる
重曹は衣類への刺激が少なく、白物の黄ばみ除去にも優れた効果を発揮しますが、素材によっては変色の恐れもあるため、目立たない部分で試してから使用するのがおすすめです。
また、重曹を使った洗浄は手洗いで行うのが基本であり、洗濯機には使用しないよう注意が必要です。
仕上げにしっかりとすすぎを行い、型を整えながら自然乾燥させることで、清潔感のある帽子に仕上がります。
自宅で洗濯できない帽子にできた汗シミはクリーニングに出すのがおすすめ
お気に入りの帽子に汗ジミや化粧汚れがついてしまったとき、自宅で無理に洗ってしまうと縮みやヨレといった型崩れを起こしてしまうことがあります。
特に水洗い不可の帽子やデリケートな素材のものは、家庭での洗濯によって生地を傷めてしまうリスクが高くなります。
そんなときは、プロの手によるクリーニングを利用するのが安心です。
帽子専門のクリーニングでは、素材や形状に合わせて丁寧に処理されるため、汚れがきれいに落ちるだけでなく、帽子本来のフォルムもしっかりキープされて戻ってきます。
大切にしている帽子を長く愛用するためにも、汗ジミや頑固な汚れがついたときは早めにクリーニングに出すことをおすすめします。
帽子のクリーニング料金
帽子をクリーニングに出す際に気になるのが料金ですが、相場はおおよそ500〜1,000円程度が一般的な目安です。
ただし、帽子の素材やデザイン、汚れの程度によっては料金が大きく変動します。
たとえば高級ブランドの帽子や天然素材を使った帽子、型崩れしやすい特殊な形状のものは、より丁寧な扱いが必要となるため、6,000円以上かかるケースもあります。
クリコムでは、革帽子のクリーニングを承っており、価格は、税込6,050円~となっています。
クリーニング | 基本(税込) |
---|---|
革帽子 | 6,050円~ |
また、消臭・防水加工などのオプションを付けると、さらに料金が加算されることもあるため、事前にクリーニング店で見積もりを出してもらうのが賢明です。
料金に幅があるからこそ、「どのくらいかかるのか」を把握したうえで依頼することが大切です。
帽子をクリーニングに出す頻度
帽子のクリーニング頻度は、使用頻度や季節によって異なりますが、たまにしか使わない帽子であれば1シーズンに1回(おおよそ3か月に1回程度)が目安です。
一方、夏場など毎日のように着用し、汗を多くかく時期には、月に1回程度の頻度でクリーニングに出すのがおすすめです。
汗や皮脂、化粧品の汚れは時間が経つと酸化し、落ちにくいシミへと変化します。
長く放置すると、クリーニングでも完全に落とせないケースがあるため、できるだけ早めに対応するのが理想的です。
さらに、普段から帽子の内側を布で拭いたり、ブラッシングしたりと簡単なケアをしておくことで、クリーニングの頻度を減らし、清潔な状態を保ちやすくなります。
被る機会が少ない帽子でも、シーズンの終わりには一度クリーニングに出しておくと安心です。
帽子を汗などの汚れから守る方法
お気に入りの帽子を長く清潔に保つためには、洗濯やクリーニングだけでなく、日々のケアがとても重要です。
特に夏場やスポーツ時など汗をかきやすいシーンでは、帽子に皮脂や整髪料、ファンデーションなどの汚れが付着しやすく、放置しておくと変色や悪臭の原因になってしまいます。
そこで今回は、帽子を汗や汚れから守るために自宅でできる簡単な3つのケア方法をご紹介します。
毎日のちょっとした心がけで、帽子の清潔さを保ちつつ、クリーニングに出す頻度も抑えられます。
お気に入りの帽子をキレイな状態で長持ちさせるために、ぜひ実践してみてください。
整髪料を使用しない
帽子をかぶる前に整髪料を使うのはできるだけ避けましょう。
ワックスやスプレー、ジェルといった整髪料は油分を多く含んでおり、汗と混じって帽子の内側に染み込むと、生地にシミや変色を引き起こす原因になります。
特に布製や天然素材の帽子は油分を吸収しやすいため、一度染みついた整髪料汚れは自宅での洗浄ではなかなか落ちません。
また、時間が経つと酸化して黄ばみや異臭の元になることもあります。
髪型を整えたい場合には、帽子をかぶらない日だけ整髪料を使う、または整髪料の使用量を控えめにするなど、使い方に気を配ることが大切です。
整髪料を使わずに済むよう、自然なスタイリングや帽子に合ったヘアアレンジを工夫するのもよい方法です。
着用後は固く絞ったタオルで拭き取る
帽子を脱いだあとは、そのまましまわずに一度内側をケアしましょう。
特に汗をかいた日には、帽子の内側に皮脂や汗が染み込みやすく、放置しておくとシミやカビの原因になります。
そんなときは、固く絞った濡れタオルを使って、帽子の額まわりや内側をやさしく拭き取るのが効果的です。
このひと手間で、汗ジミの予防になるだけでなく、雑菌の繁殖も抑えられます。
タオルは水に濡らしてしっかり絞り、軽くなでるように拭くだけで十分です。
帽子の素材によっては水分に弱いものもあるため、必要に応じて目立たない部分で試してから行うと安心です。
毎日のお手入れとして取り入れることで、帽子のコンディションを清潔にキープしやすくなります。
風通しのいい日陰で干す
帽子を脱いだあとは、クローゼットやカバンにすぐしまうのではなく、風通しのよい日陰に干してしっかりと乾燥させましょう。
特に夏場は帽子の内側に湿気や汗がたまりやすく、そのまま放置すると臭いや雑菌の繁殖、カビの原因になります。
直射日光の下で干すと色あせや生地の劣化を招く可能性があるため、必ず日陰で干すのがポイントです。
また、毎日同じ帽子を使い続けるのではなく、2〜3個をローテーションしながら使うことで、生地を休ませる時間を確保でき、型崩れや劣化を防ぎやすくなります。
型を保ちたい場合は、ザルや帽子スタンドなどを使って立体的に干すと型崩れも防止できます。
乾燥と通気性を意識した保管が、帽子の寿命を大きく伸ばしてくれます。
汗で汚れた大切な帽子をクリーニングに出して長く愛用しよう
お気に入りの帽子は、気づかないうちに汗や皮脂、整髪料、ファンデーションなどで少しずつ汚れが蓄積されています。
にもかかわらず「帽子は洗えないもの」と思って放置している人も多いのではないでしょうか。
実は帽子も専門のクリーニング店で丁寧に洗ってもらうことができ、型崩れや色落ちを防ぎながら新品同様の清潔感を取り戻せます。
とくに布製やウール素材、フェルト帽子など水洗いが難しいものは、自宅で無理に洗うのではなく、プロに任せた方が確実です。
クリーニングに出す前には洗濯表示を確認し、「ドライクリーニング可」や「水洗い不可」の記号をチェックしましょう。
料金は1,000円前後が目安ですが、素材や加工の有無によって変動するため事前確認が安心です。
さらに、3か月に1回ほどの頻度で出すと清潔な状態を保ちやすく、帽子の寿命を延ばすことにもつながります。
最近は宅配クリーニングサービスも普及しており、忙しい人でも手軽に利用できます。
日々のお手入れとクリーニングを併用し、いつでも気持ちよく帽子をかぶれるようにしておきましょう。